私の話を聞いてくれ。

たまにはブログでもやってみる。

日本の貧富の差を垣間見た日

今日は最近知り合った方の家にお招きいただきました。

 

そこは都内のタワーマンションで、広いリビングの大きな窓の向こうにはレインボーブリッジが見えます。タワマンに入ることが初めてだったので、「ああ、世の中には本当にこんなところで暮らしている人がいるんだなあ」とようやく確信することが出来ました。

 

こだわりのカトラリーやクロスで飾られたテーブルコーディネート、有機栽培の食材で作られた美味しくて健康的な手料理。こんな生活を送れたら、心身共に健やかで何でも挑戦してみようという気持ちになると思います。

実際にその方はもう還暦を過ぎているのですが、とても溌溂とした印象で今でも旦那様と食事や旅行を楽しまれています。

 

 

そんな楽しい食事会の帰り道、本屋に立ち寄ってふと目に留まった一冊の本。 

東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか

東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか

 

タイトルから想像できるように、女性の貧困について書かれた本です。取材形式で様々な事情の女性たちの壮絶な事情が赤裸々に綴られています。

 さっきまでのタワマンでの出来事がすべてまやかしに思えるような境遇に直面している数々の女性。貧富の差ってここまで広がっているのかと思うとぞっとします。

 

かくいう私は、社会人になるまでずっと実家は貧乏だと思って暮らしてきました。

その理由は、近所の家庭と比べると何となく生活水準が低いと感じていたから。この感覚は間違ってはいないんだけど、幼かった私にとっての世界がご近所さんだけで完結していたんですね。だから変な劣等感を抱いたまま大人になりました。

 でも社会人になってから、もっと世界は広くて想像以上に過酷な生活を余儀なくされている人達が日本には数えきれないほどいることを知りました。そしてこの本は、29歳の私が今日まで知らなかった更なる過酷な貧困女性の生活を知るきっかけとなりました。

 

独り身で貧困という状態は、まだ身動きが取りやすいと思います。問題は、シングルマザーである場合。

子供のためにも、稼がないといけません。だけど働ける時間が限られてます。だから時給の低いパートとして働く。貯金がないどころか今日を凌ぐお金もなくてほんのわずかな金額を消費者金融から借りてしまう。いわゆる闇金。そして膨らむ利子。

ちょっと極端な気もしますが、こんな話はたくさんあります。実際、この本にも闇金からお金を借りてしまったために多額の利子を払い続けることになった女性が登場しています。5万円を借りると10日で2万円の利子が付く、冷静に考えればヤバい金利だってすぐにわかりますが、追い込まれた状況下で他に選択肢がない場合は手を出してしまうのが闇金なのです。

 

 こういう話を聞くと、自分はまだ全然いい生活をしているなと実感します。しかし、少しでも人生の判断を誤ってしまえばあっという間に貧困に陥るでしょう。給料は同年代の平均より低いので、仕方ありません。

だからまだマシな生活が送れている今のうちに、もっと自分に出来ることを増やしていかないといけないなと思います。

 

今日お邪魔したタワマン暮らしの方も、現役時代はバリバリ働いていろんなチャレンジを繰り返してきたと伺いました。当時そういった中で知り合った方々とは今でも交流があり、自分で趣味の教室を主宰するといった生活を楽しんでいるようです。「人との繋がりがあるといざというときに頼ることが出来るから気楽よ」という言葉が印象的でした。

スキルのない状態でお金が無くなると、安い給料で長時間働く羽目になります。そうすると職場外での交流がなくなり、孤独になって本当にどうしようもなくなっても頼るアテがありません。つながりは安易に増やせばいいものではないけれど、無意味にすべて断ち切ってしまってもいけません。

 

今日は何気ない会話の中にいろんな発見がありました。自分とはかけ離れた生活を送る人の言葉は自分の中にはなかった価値観で、言葉の一つ一つがいい刺激になりました。

 

行動する人、挑戦する人はパワフルなオーラをまとっています。それがチャンスや成功を引き寄せているのだと、らしくもなくスピリチュアルな結論に達しました。足を止めた人から追い詰められていくのが今の日本です。追い詰められることがないように、心身の健康、好奇心、最低限の貯金は常に備えておく必要があります。逆に言えば、それさえあれば人生どうとでもなる気もします。

 

実は内心、今日のお誘いは気乗りがしませんでした。だって、わざわざお金持ちの家に行ってもみじめな気持ちになるだけだと思っていたから。でもむしろ、視野が広がりいい経験になりました。

自分と違う生活をしていたり異なる考え方をもつ人と会話を交わすと、自分の中の凝り固まった常識があっという間に砕かれます。とてもいい影響をもらえる反面、自分からは何かを与えることが出来ているのか疑問ですが…。

 

最近引きこもってだらだら過ごす休日ばかりだったので、今日はいろんな発見や経験が出来て久しぶりに充実した一日となりました。心地よい緊張感とそのあとにくる疲労感も、たまにはいいなと思いました。